看護診断と要因
- 抗がん薬治療、放射線療法による骨髄および嘔吐中枢への刺激。
- 麻薬、薬物の副作用。
- 腸蠕動の低下。
- 腹部絞扼による腹膜刺激。
- 消化管の通過障害。
- イレウスチューブや胃チューブ留置による嘔吐中枢の刺激。
- 胃部刺激によって起こる反射。
- 眼圧、頭蓋内圧進症状。
- めまいや平衡障害、ストレスによる自律神経失調症状。
目標
- 悪心が軽減したことを言葉に出して言える。
- 悪心があるときの過ごし方が理解でき実践できる。
看護計画
OP(観察項目)
- バイタルサイン。
- 意識状態。
- 水分バランス、脱水症状の有無と程度。(脱水の重症度)
- 悪心・嘔吐の程度、持続時間、吐物の性状。
- 嘔吐の種類と誘発因子の有無。
(薬剤の副作用・食事の内容・臭気) - 随伴症状の有無。
(腹痛、頭痛、めまい、ふらつき、顔面蒼白、紅潮、痙攣、発汗、発熱) - 腹部膨満の有無。
- 腸蠕動音の状態。
- イレウスチューブからの排液状態、量、性状。
- 表情、言勤、体位、活動状態、睡眠状況。
- 排便の有無と状態。(便秘、下痢)
- 排ガスの有無。
- 食欲の有無、食事摂取量。
- 薬剤の使用状況。
- 検査データ。
(腹部xp、CBC、CPR、赤沈、電解質) - 中枢性嘔吐の有無。
(眼圧値、頭蓋内圧亢進症状など) - ストレスの有無、精神状態。
TP(ケア項目)
- 悪心・嘔吐の原因をアセスメントする。
- 悪心・嘔吐のある場合は、ベッドサイドにガーグルベースンを準備しておく。
- 吐物の処理を速やかに行い冷水で含嗽を勧める。
- 食事摂取は無理せず、気分のよいときに食べたい物を食べられるよにする。
- 栄養土と連携し食事の形態を変更する。
- 電解質補液飲料などの氷片の摂取を勧める。
- 安楽な体位を工夫する。
- 誤嚥防止に努める。
- 腹部の圧迫を取り除く。
(膝関節屈曲、寝衣など) - 胃部に冷罨法を行う。
- 悪心・嘔吐を誘発するような臭いがあれば、換気を行う。
- 指示により制吐薬を与薬する。
(必要時、時間ごとに) - 便秘の場合は、腹部マッサージ、温罨法を行い、必要時浣腸を行う。
- 脱水症状が出現した場合は、早期に医師に報告する。
- 不安を表出しやすいように受容的態度で接し、そばにいて安心感が得られるように援助する。
- ケアは気分のよいときに行う。
(短時間、またはまとめて) - 胃管揮入時は適宣吸引し、胃管挿入による不快感が強い場合は、固定位置の変更を適宣行ったり、鎮痛処置を図る。
- 胃管挿入時はドレナージできているか定期的に確認する。
EP(教育)
- 悪心・嘔土出現時の対処について説明する。
- 悪心があれば早めに知らせることを説明する。
- 悪心があるときは安静にして、体力の消耗を防ぐこを説明する。
- 悪心があるときは、無理して食べなくてもよいことを説明する。
- 悪心がおさまっているときに食べたい物を食べることを説明する。
- 脱水予防について説明する。
- 解質補給の飲料やゼリーなどの市販品を適宜使用することを説明する。
- 在宅療養中で悪心が持続するときには、受診の必要性を説明する。
- 抗がん剤使用時などで予期的嘔吐が予測される場合は、制吐薬をあらかじめ内服するように説明する。
- 悪心・嘔吐が悪化しないために便秘の予防の必要性について説明する。