看護計画

不安(看護計画)

看護診断と要因

  • 手術、検査、治療に伴う苦痛や不快な体験。
  • 慣れない治療環境や家族からの分離。
  • 自覚症状(疼痛、嘔吐、倦怠感、呼吸困難)の出現。
  • 疾患について悪性を疑っていること。
  • 検査や治療、手術、集中治療室に入るという未体験の事態との遭遇。
  • 疾患や検査、治療、手術方法について医療者からの情報、説明不足に伴う理解不足。
  • 今後の生活に対する知識不足、経済的な問題。
  • 悪性の疾患であること(再発、死へのおそれ)。
  • 社会的役割の変化(職業、学業の中断)。
  • 家庭に残された家族が心配であること。
  • 治療方針が決まらず見通しが立たないこと、治療効果の不確かさ。
  • 家族やキーパーソンからのサポート不足。

目標

  • 不安の内容を表出できる。
  • 不安が減少したことを言葉に出して言える。
  • 不安を吐露することで気持ちの整理ができる。
  • 安心感を持って入院生活が送れ、手術、検査や治療を受けることができる。
  • 不安を解消しようと行動を起こすことができる。

看護計画

OP(観察項目)

  • 行動:落ち着きがない、あたりを見回す、一貫性がなく無意味な行動。
  • 感情:心配する、後悔する、興奮、無力感、イライラする、泣く、用心深くなる、恐怖心など。
  • 生理:脈拍数の変動、血圧の変動、呼吸苦、手の震え、声の震え、顔面紅潮、発汗の増加、下痢、頻尿、食欲不振など。
  • 認知:繰り返し質問する、忘れっぽい、注意力の低下、集中できない、思考の遮断など。
  • 睡眠状況。
  • 不安の内容と程度(病気や今後の見通し、死ななど)。
  • 身体的、精神的苦痛の有無と程度。
  • 疾患・検査・治療・手術に対する理解や認識の程度。
  • これまでに体験した危機状態での対処方法と性格傾向や価値観。
  • 患者の状況判断力。
  • キーパーソンの有無。
  • 経済的、社会的問題の有無(仕事上の役割、立場)。
  • 家族間の関係。
  • ソーシャルサポート(情緒的、道具的、情報的、評価的)の活用状況。

TP(ケア項目)

  • 不安の程度をアセスメントする(軽度、中等度、強度、パニック)
  • 共感的態度、 受容的態度で対応し患者との関わりを多くすることで信頼関係を築く。
  • 声をかけ、患者のそばに付き添う。
  • 患者が話したり泣いたりできるようにする。
  • 手を握ったり背中をさすったり、タッチングを行い、安心感を与える。
  • 患者が話しやすい環境を提供する。
  • 医師からの疾患や治療、検査についての説明が理解、納得できたか確認し、必要なら再度説明の依頼をする。
  • 医師の説明を確認して統一した態度で接する。
  • 不安が強いときは家族の面会を考慮し、そばにいてもらうように働きかける。
  • 検査や手術、集中治療室入室オリエンテーション、退院指導などは、計画的に時間や場所を考慮して行い、理解できたか確認する。
  • 苦痛が早期に軽滅できるよう対処する。
  • 散歩や趣味を通して慰めや気分転換が図れるように配慮する。
  • 音楽、アロマセラピー、リラックス運動、ストレッチ、アロマなどを提案してみる。
  • 十分な睡眠がとれるように環境を調整したり、指示により効果的な睡眠薬を与薬する。
  • 部屋の環境が合わない場合は、ベッドの位置を移動したり、転室などで対応する。
  • できれば同じような体験を持つ患者同士で話ができるように働きかける。
  • 病状が許せば医師に働きかけ、外出や外泊を考慮し気分転換やストレスの軽減を図る。
  • 患者や家族のニーズや暮らしに応じてソーシャルサポートを紹介し、調整する。

EP(教育)

  • 不安、不明なことがあればどんなことでも医療者に伝えるように説明する。
  • 患者と家族を支援するサービス(経済的、精神的、施設など)について説明する。
  • リラックスする方法(音楽・アロマセラピー・軽い運動・マッサージなど)や、その効果などについて説明する。

不安に対する看護のポイント

患者の不安に対する客観的指標はなく、評価が難しいともいます。

しかし、患者は常に不安にさらされています。

患者の感情や生理的、認知的反応を観察しましょう。

不安の程度をアセスメントし、患者に寄り添いながら、思いを表出できるように関わり、患者自らが不安を軽減できるように援助することがポイントです。

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