看護技術

ハンプ(hANP)作用機序、注意点と看護

心不全の治療薬として投与されるハンプ(hANP)の作用機序、注意点と看護について解説します。

ハンプ(hANP)

ハンプ(hANP)は日本語にするとα型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤です。

心不全の中でも急性心不全で投与される治療薬です。

日本語の名前の通り、利尿作用があります。

簡単に言うと、過剰な水分を溜めないように排尿を促進させ、心臓の負担を減らす目的があります。

もう一つ、覚えておきたい作用があります。

利尿作用だけでなく、血管拡張作用もあるので覚えておきましょう。

作用機序

まず、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、心房から分泌される循環調節因子です。

ハンプ(hANP)は、α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチドとして働き、グアニル酸シクラーゼを活性化します。

グアニル酸シクラーゼは、cGMPを増加させ、心臓の前負荷・後負荷を軽減する血管拡張作用を示します。

また、腎機能を高め、アルドステロンやバソプレシンに拮抗することで水の再吸収を阻害し利尿作用を示します。

注意点・看護

作用機序から分かるように、利尿作用・血管拡張作用がるので、

血圧低下に注意が必要です。

約2.3%の頻度で血圧低下が見られると報告されているので注意が必要です。

観察のポイント:ハンプ投与開始から尿量の変化を確認していきましょう。

利尿作用があるので、循環血液量が減少している患者に投与した場合、その病態を悪化させる可能性があるので併せて注意が必要です。

循環状態に変化が生じる薬剤なので、症状の観察だけでなく、

シリンジポンプの流量設定と時間あたりの注入量の確認も忘れずに行いましょう。

添付文章上では、1分当たり0.1μg/kgを持続静脈内投与とあるので、医師の指示を鵜呑みにするのではなく、本当に適切な量であるか確認しましょう。

もう一つ、ハンプを投与する上で注意点があります。

基本は単独ルートで投与しましょう。

アミノ酸輸液、亜硫酸塩(亜硫酸水素ナトリウム等)を含有する製剤、ヘパリンナトリウム製剤等と混合すると24時間までに外観変化・含量低下が認められます。

まとめ

ハンプ(hANP)まとめ
  • ハンプ(hANP)は急性心不全の治療に用いられる薬剤。
  • 利尿作用・血管拡張作用がある。
  • 尿量の変化に注目しよう。
  • 血圧低下に注意が必要。
  • 投与は基本的には単独ルート。

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