今回は、看護師として転職する際に面接でよく聞かれる質問を紹介したいと思います。
転職サイトを利用する場合、専属のエージェントが面接対策をしてくれる場合が多いですが、自己応募で転職する方は自分自身で面接対策をする必要があります。
採用試験で面接は最重要項目と言っても過言ではありません。
ですが、最大の試練でもあります。
しっかり対策し、希望の転職先から内定を勝ち取りましょう。
看護師の面接でよく聞かれる質問【自己紹介】
自己紹介は初めに聞かれる場合がほとんどで、これまでの経歴と一緒に聞かれることも多い質問です。
自己紹介の場面は自分の印象を決める大切な部分なので、しっかりとまとめておきましょう。
質問の例
- 簡単に自己紹介をお願いします。
- これまでの経歴についてお聞かせください。
- これまでの看護師経験を簡単に教えてください。
- 看護師以外の仕事経験はありますか。
- 通勤するとしたら、どのくらいの時間がかかりそうですか。
- 本日は、ご自宅からどのような手段で来られましたか。
回答例
「〇〇(住んでいる場所)から参りました、〇〇です(名前フルネーム)。本日は、ご多忙のところ、面接の調整をいただきありがとうございます。よろしくお願いします。
「これまで、消化器領域で○年の病棟勤務の経験があります。手術や検査など日々、多忙な環境でしたがリーダー業務含め病棟業務全般を経験しています。」
看護師の面接でよく聞かれる質問【志望動機】
志望動機は言うまでもなく重要なポイントですので、
なぜその病院・施設を志望するのか簡潔にまとめて伝えましょう。
志望動機は病院・施設の特色や力を入れている分野などに触れることがポイントです。
質問の例
- 当院の志望動機を教えてください。
- 当院に興味を持ったのはどのような部分でしょうか。
- 当院の理念はご存知ですか。
- 当院の理念で共感した点はどのような部分でしょうか。
- 当院の社会的役割について、知っていることはありますか。
- 訪問看護にはどのようなイメージがありますか。
- 美容外科にはどのようなイメージがありますか。
- 当院は急性期病院ですが、これまでのご経験から挑戦しようと思われた理由は。
- 病院経験から訪問看護に挑戦したいと思ったのはなぜですか。
- 病院経験から美容外科に挑戦したいと思ったのはなぜですか。
- 当院で希望の診療科や業務はありますか。
- 希望の診療科の理由を教えください。
- 今お勤めの職場と当院の違いや、期待することをお聞かせください。
- 勤務先を選ぶうえで最も優先したい条件は何ですか。
- これまでの経験で、当院で活かしたいことはありますか。
回答例
「私が当院を志望する理由は、手術件数が多く三次救急施設でもあるため、様々な疾患や病態を学ぶことができると考えたからです。また、私が志望する集中治療においても多くのハイケアユニットを要し小児集中治療室も兼ね備えていることからも幅広い知識、技術を習得することができると考えたからです。また、病院見学に参加させていただいた際に、スタッフ間で密にコミュニケーションが取られており好印象でした。患者さんとの会話も多く見られ、温かみのある病院で、私が目指す会話を大切にする看護にも合致すると感じました。教育制度も充実しおり既卒でも多くの研修が用意されていることも魅力的であると考えました。」
看護師の面接でよく聞かれる質問【転職・退職理由】
転職の際は、転職理由についても必ず質問されます。
仕事に対する考え方や取り組む姿勢、自分が実現したいことなどをわかりやすく伝えられるよう、準備しておきましょう。
退職の理由については後ろ向きな理由ではなく、意欲的で前向きな理由を説明できると好印象につながります。
質問の例
- なぜ転職しようと思ったのですか。
- 現在の職場を辞めた理由をお聞かせください。
- これまでに数回転職されていますが、どのような理由があるのでしょうか。
- 今回の転職について、現在の職場にはすでに相談されていますか。
- 転職したい理由を、現在の職場に伝えましたか。
- 職場の不満や不具合、人間関係などについて、どのような行動をしましたか。
- 現在の職場での部署異動などは考えられましたか。
- 現在の職場の不満や改善したほうが良い点について、話せる範囲でお聞かせださい。
- 今回の転職で期待するポイントはどのようなことですか。
- 職場に希望する働きやすい環境についての考えを教えてください。
回答例
スキルアップや自分が目指す看護がある場合、回答し易いと思います。
しかし、人間関係の不満・待遇面での不満を理由に退職する場合、回答に困ることでしょう。
そのため、必ず聞かれる質問のため事前にまとめておきましょう。
- 嘘をつく。
- 転職の理由を周りの責任にする。
- 待遇面の不満を言う。
「結婚・妊娠による引っ越しを機に通勤が難しくなり、退職いたしました。
貴院は、現在の居住地から近く、子供の保育所の送り迎えにも魅力的な距離です。延長保育を利用しているため、多少の残業には対応可能です。
時短勤務制度など職員の子育てに配慮した取り組みの多い貴院で、看護師としてより一層成長し、貢献したいと考えております。
「看護師が患者さんにとってより良い看護や医療を提供するには、仲間とのチームワークがとても大切だと思い、私なりに仲間との信頼関係を築く努力をしてきました。
しかし、前職の職場では人間関係が複雑で、看護師同士の連携がうまく取れなかったため、これを機に自分を見つめなおした結果、以前から興味のあった○○の分野に挑戦したいと考えるようになりました。
前職では病棟のリーダー業務をしていたため、リーダーの経験を活かして看護師間での情報共有を徹底しながら、患者さんにとってより良い看護や医療を提供できるように努力したいと考えております。」
「前職は、慢性的な人手不足により、看護師一人あたりで担当する患者さんが多く、もっと一人ひとりの患者さんと向き合う時間がほしいと考えていました。また、プライベートの面において、身体を休める時間の確保が難しい状況でした。
貴院では、患者さんに寄り添った温かい看護を行う方針のもと、待遇面でも私が考えるライフワークバランスに合致し魅力的であると考えました。
貴院の理念や方針、取り組みのもと、自分が理想とする「患者さんに真摯に向き合う看護」を実現し、貢献していきたいと考え志望いたしました。」
看護師の面接でよく聞かれる質問【スキル・能力】
看護師はスキルが重要視される職業です。
特に、中途採用の場合は即戦力を求めている病院・施設も多く、応募者のこれまでのスキルは選考に大きく影響する場合があります。
質問の例
- 注射や点滴、バルーンカテーテルの挿入など基本的な看護技術に自信はありますか。
- 経験した診療科で、特色のある看護技術については問題なくできましたか。
- リーダー業務は経験しましたか。
- 業務改善に関わったことはありますか。
- 医師と看護師の意見が違うとき、どうしていましたか。
- 院内での担当した委員会や係を教えてください。
- 看護研究や学会発表、論文の執筆などの経験があれば教えてください。
回答例
「〇年の病棟経験がありますので、基本的な看護技術・業務において入職後から即戦力として勤務できると考えております。」
看護師の面接でよく聞かれる質問【自己PR】
短所・長所含め自己PRも面接試験では必ず聞かれる一つでしょう。
自己PRは自分の価値を余すことなくしっかりと伝えるための機会です。
自分自身を言語化できるように自己分析を行い準備しておきましょう。
自己PRというと萎縮して自分を過小評価しがちですが、自分を売り込むチャンスと考え、自信を持って伝えることが重要です。
質問の例
- 簡単に自己PRをしてください。
- 自分の長所だと思うところを理由と一緒に教えてください。
- 看護師としてのスキルアップのために、普段していることはありますか。
- 仕事をするときに『これだけは誰にも負けない』という信念や想いはありますか。
- 看護師以外のスキルで勉強中のものはありますか。
- 育児との両立で身に付いたものはありますか。
- 上司やスタッフなど周囲の方から見て、自分はどのような存在だと思いますか。
- あなたが苦手なスキルと、それに対しての対処法を教えてください。
- 自分自身を動物に例えるなら何ですか。
- 看護師としての目標を教えてください。
回答例
「私の長所は、人当たりの良さであると考えます。手術や検査出しで多忙な時も、私を見つけ患者さんからお声を掛けて頂くことが多いです。
貴院の理念でもある患者さんに寄り添った温かい看護は、患者さんにどんな些細なことでも表現していただけることが必要だと思います。
患者さんの思いや苦痛を表出しやすい雰囲気を私は持っていると考えます。
看護師の面接でよく聞かれる質問【勤務条件について】
勤務条件の質問も多いです。
働くうえで必要な条件ですので、しっかりと伝えられるように準備しておきましょう。
ただし、あれこれと多くの条件を伝えるのではなく、勤務時間や希望地・休日など自分のなかで優先順位を決めて具体的に答えるのがおすすめです。
質問の例
- 勤務時間について希望はありますか。
- 夜勤やオンコール当番は可能でしょうか。
- いつから勤務できますか。
- 希望の配属先はありますか。
- 部署異動や系列施設への移動は可能ですか。
- 希望部署に配属にならなかった場合どうしますか。
- シフト制勤務に対応できますか。
- 残業はどのくらい対応できますか。
回答例
「夜勤含めシフト勤務が可能です。希望は〇〇病棟で〇年の経験がありますので、〇〇病棟を希望します。希望通りの配属にならなかった場合でも、スキルアップの機会と捉え頑張りたいと思います。」
看護師の面接でよく聞かれる質問【困りやすい質問】
面接中、答えにくい質問や返答に迷う質問をされることもあります。
しかし、どのような質問であっても「わからない」とだけ答えるのではなく、
「自分なりの考え」を伝えるよう心がけましょう。
質問の例
- 他に受けている病院はありますか。
- 他の医療機関と当院、両方とも内定をもらえた場合はどちらを選びますか。
- 転職活動の進行状況はいかがですか。他で内定はいただきましたか。
- お子さんの体調不良のときは、どのように対応されますか。
- 残業が多いとき、保育園のお迎えを頼める方はいますか。
- 看護師の転職についてあなたの意見や考えを教えてください。
回答例
「他に受験を考えているのはA病院とB病院です。
どちらも急性期の看護が学べる良い病院だと思いますし、それぞれの理念にも共感する部分があります。
ただし、貴院でしか経験できない○○分野にとても興味がありますので、
内定をいただけた場合は貴院に就職を希望します」
まとめ
看護師の就職や転職時に実際に聞かれる質問の一例を紹介しました。
面接試験では様々な質問が想定されます。
聞かれそうな項目については対策しておき、自分の考えや意見を端的に分かりやすく伝えるように練習しておきましょう。
答えにくい質問や、予想外の質問がある場合があると思います。
しかし、どのような質問であっても自分の言葉で伝えることが大切です。
- 当院の特徴と志望動機のズレはないか。
- 目指す看護師像や看護観に一貫性があるか。
- 納得できる転職理由かどうか。
上記を意識して面接の対策をしておきましょう。