看護診断と要因
- 発汗や便・尿失禁などによる局所の湿潤や汚染に伴う皮膚の浸軟。
- 床上安静や身体可動性の低下に伴う長時間同一部位の組織への圧迫・摩擦やずれ。
- ベッドのギャッチUP、車椅子乗車などによる摩擦やずれ。
- 低蛋白血症による浮腫や組織循環の減少に伴う皮膚の脆弱化。
- 栄養障害に伴う脱水・羸痩など保護的防御機能の低下。
- 加齢による皮膚の乾燥や菲薄化した皮膚のバリア機能低下。
- ステロイドなどによる免疫低下に伴う創傷治癒遅延。
- 機械的刺激(ドレーン類や医療関連機器による圧迫)「MDRPU」。
- 在宅療養中で介護負担が大きく不適切な管理による褥瘡リスク。
目標
- 皮膚を正常に保つことができ、褥瘡ができない。
- 患者・家族が褥瘡対策について理解し、予防に努めることができる。
看護計画
OP(観察項目)
- VS・意識レベル
- 年齢・性別・疾患や治療内容
- 体重・体重の変化・BMI
- 栄養状態(食事摂取状況・方法、摂取エネルギー量)
- 全身状態(筋・皮下脂肪厚・骨突出の有無・関節拘縮の有無・円背・ADL・IADL・消化器症状など)
- 皮膚の状態(浮腫・チアノーゼ・発赤・剥離・びらん・腫脹・乾燥・湿潤・発汗・皮膚温・あるみ・はり)
- 発赤がある場合は持続性か。(発赤部位を3秒以上指で圧迫し、圧迫解除時に発赤が一時消失するか)
- 知覚神経障害や麻痺などの身体可動性低下による自重の状態
- 機械的刺激の有無(圧迫・摩擦・ずれ・ドレッシング材、医療機器)
- 科学的刺激の有無(便・尿・消化液・創部からの浸出液)
- 排泄状況
- 疼痛・掻痒感・感染の有無
- 検査データ(TP・Alb・WBC・CRP・Hb)
- 適切な体圧分散用具を使用しているか
- ソーシャルサポート(情緒的・道具的・情報的・評価的・経済的)活用状況。
TP(ケア項目)
- 褥瘡形成の疑いがある場合は、褥瘡発生リスクアセスメントツール(DESIGN-Rなど)などで客観的に評価する。
- ベッド上と車椅子での圧迫とずれ力の排除を行う。
- 創傷の程度や治癒過程に合ったスキンケアやドレッシング材を使用する。
- 創傷の程度や治癒過程、身体可動性の状態に合わせて体位変換を行う。
- 創傷の改善がみられない場合や難治性の褥瘡の場合は、早期にケアや栄養状態について専門家に相談する。
- ポジショニングや体位変換を2時間毎に行う。
- 体位変換時は身体を浮かし、摩擦やずれを予防し体位変換後は背抜きを行う。
- 適切な体位保持のため効果的にポジショニング枕を使用する。
- 体圧や活動に合わせて、効果的な体圧分散マットを使用する。
- 身体を清潔に保つ。
- 皮膚の観察を毎日行う。
- 尿失禁が続く場合、排尿パターンを把握し長時間排泄物が皮膚に接触しないようにする。
- 便失禁・下痢が続く場合は排便コントロールを行い長時間排泄物が皮膚に接触しないようにする。
- 栄養が必要摂取量以下の場合には、高カロリーが摂取できるように援助する。
- 局所陰圧閉鎖療法を行っている場合は吸引圧・吸引モードを確認する。
- 関節拘縮など廃用症候群予防のためリハビリテーションを行う。
- 患者・家族のニーズや暮らしに応じてソーシャルサポート・社会資源を紹介し調整する。
EP(教育)
- 褥瘡ができた原因を患者・家族に伝え、スキンケア、体位変換などのケア内容を説明する。
- 患者・家族に褥瘡部位により避けたい体位を考慮した体位変換スケージュール表を作成する。
- 疼痛・しべれや痒みの部位・程度・性質を知らせるように説明する。
- 食欲が低下した場合には少量でも高いカロリーの物が摂取できるように家族へ対処方法を説明する。
- 家族に悪化を予防するために適切な褥瘡予防用具を紹介し貸与手続きを説明する。
- 適度に運動することの必要性を説明する。
ワンポイントレクチャー
褥瘡発生のメカニズムは?
身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、もしくは停止させます。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となります。
なぜ2時間毎の体位変換が推奨されているのか?
200mmHgの圧力が2時間以上組織へ加わると皮膚には壊死が生じるからです。